実は気軽にチャレンジできる「和」のDIY

フカネンの製品は、日本の伝統的な建築技術を支える職人さんを始め、たくさんの設計士さんや住職さん、施主さんなどからご依頼を頂き、これまで多賀城や平城京、薬師寺などの世界遺産や重要文化財の補修工事を支える下地材として使われてきました。

また、最近では「生活の中に和の空間を取り入れたい」というご要望もあり、新築物件(商業施設や住宅など)の壁や床に弊社製品を仕上げ材としてご活用いただく機会も増えてきました。中にはDIYで土壁塗りにチャレンジされる方もいらっしゃいます。

このように弊社の製品は、DIY からプロの職人まで、そして昔ながらの伝統的な建築物から現代の新築物件まで幅広くご愛用いただいております。

壁土(壁用の土)は不燃材料として認定されています

令和4年、「厚さが10㎜以上の壁土」が不燃材料として追加認定されました。それに伴い、さまざまな建築物(とくに商業空間)に土壁を取り入れることへのハードルがぐんと下がりました。「心が落ち着く」「リラックスできる」など、これまでも和の空間への人気や関心はありましたが、法の改定によって今後ますます高まっていくことでしょう。

(参考リンク)

建築基準法等に基づく告示の制定・改正について(国土交通省)

壁土を不燃材料として建築物に用いる場合の壁土仕上げ標準施工要領

土壁には、ほかにも調湿や断熱、空気清浄などの効果も期待されています。

DIYで土壁塗りにチャレンジ

弊社の深谷土は、乾燥土だけでなく、ご用途に合わせて砂を配合したタイプのものや、袋から出してそのままお使いいただけるような練り土タイプのものなど、幅広いラインナップでご用意しております。プロの職人さんだけでなく、一般消費者の方もDIY感覚でチャレンジしていただけるように、できるだけ現場での手間がかからない状態での商品開発を心がけております。

一般的に土壁を塗る場合は、壁を支える竹網の上に荒壁を塗り、中塗り、仕上げと進めていきます。しかし、それでは材料も手間もかかりますし、専門的な技術も必要です。フカネンでは「小さな空間にほんの少しだけ土壁を取り入れる」といったご用途も想定し、より少ない材料で簡単にできる土壁の塗り方をご提案しています。

例えば、こちらのブログでご紹介した現場では、すでに壁に貼ってあったクロス(壁紙)の上にラス網を敷き、荒壁だけで仕上げるという手法で壁を塗っていただきました。子供から大人まで幅広い世代の地域の方々が楽しそうに土壁塗りのイベントに参加されたとご報告いただきました。弊社代表も参加し、微力ながら塗り方についてアドバイスさせていただきました。

さまざまな表情を出す土壁の魅力

▲塗りたての土壁の様子

▲少し乾いた状態の土壁

こちらのブログの後半でご紹介した現場では、土に加える藁の量を通常の二倍にして荒壁を塗っています。強度を高めるために藁の量を増やしてみたいというご相談をいただきましたので、その目的に合った配合の土を試作し、現場とやり取りしながらご用意しました。お客様のご用途やご要望に応じて配合をカスタマイズできるのもフカネン製品の特徴です。

土に混ざった藁が表面に浮かび上がり、独特の表情を出しています。こちらの現場ではこの後さらに中塗り、仕上げと作業が進んでいきますが、このまま仕上げる「荒壁仕上げ」にも素朴で自然な良さがあります。

土は自然の素材のため、配合や塗り方、その土地の気候などによってさまざまに表情を変化させます。同じ建物内でも全く異なる表情を見せてくれるのも土壁の面白さの一つです。

おわりに

土壁や土間、漆喰などの伝統的な建築手法は、その専門性の高さから「DIYするのは難しい」と思われがちです。しかし小さな空間であれば実は気軽に取り入れていただける素材です。ご自身で施工されない場合でも弊社を通して協力企業や職人さんをご紹介することもできます。ご興味のある方は、まずは一度お問い合わせください。フカネンでは、一人でも多くのお客様が「快適な空間作り」を叶えられるようなお手伝いさせていただきたいと思っております。