お寺の改装工事に、古い瓦をリサイクル!屋根瓦の循環型ビジネス(SDGs)の取り組みについて

先日、栃木県宇都宮市にあるお寺の改修工事で、「やねっこ」をはじめとする弊社の製品を多数ご活用いただきました。弊社が理想とする循環型ビジネスにつながる取り組みも行うことができましたので、先方の許可を得てこちらのブログでもご紹介します。

屋根瓦約5000枚の張り替え工事が行われました

▲屋根瓦の張り替え前の写真

▲屋根瓦の張り替えが完了し、露盤宝珠の塗り直しに「やねっこ」を使用している様子

今回の改修工事では、主に古い屋根瓦約5000枚の張り替えが行われ、その下地材にフカネンの「水シャット(南蛮漆喰)」をご活用いただきました。弊社の南蛮漆喰は練り合わせ済みなので、袋を開けてすぐに使えるとご好評いただいております。また、素材配合を工夫し、モルタル並みの強度を保つ点も特長です。

水シャット(屋根用南蛮漆喰)

また、頂部にある露盤宝珠(屋根の頂点に取り付ける装飾を兼ねたもの)の塗装には「やねっこ(屋根・壁・床用塗料)」を使っていただきました。この露盤宝珠については、一般的には屋根瓦を張り替える際に一緒に取り換えることが多いそうです。しかし、今回は露盤宝珠の状態が良かったため、取り換えは行わず、既存のものにやねっこを塗装することで色の補修および表面のコーティングを行いました。

露盤宝珠はそれ自体が大変高価なものですし、重量があるため、取り外しや取り付けには多大な労力が必要となります。今回は新品と交換するのではなく、やねっこを使った塗装業務にて修復ができましたので、費用と作業量を大幅に削減することができ、工事を担当された屋根職人さんにもお寺の住職さんにも高く評価していただきました。

「やねっこ」はリサイクル瓦を粉砕加工した屋根・壁・床用塗料で、色は黒、いぶし、ダークブラウン、茶、赤、白の六種類あります。また透明で色を調節できるクリア色もあります。

今回の露盤宝珠のように凹凸のある部分に「やねっこ」を塗装する場合、陰影ができる関係で、塗料自体の色よりも暗く見えることがあります。

そのため、新しくした瓦に近い「JIS(日本工業規格)色番号」を事前に教えていただき、「やねっこ(いぶし色)」をベースにして、色の微調整を行いました。その一工夫により、最終的には新しい瓦との調和が取れ、良い仕上がりとなりました。

やねっこ(屋根・壁・床用塗料)

張り替えた瓦はフカネンで引き取り再利用しました

さて、張り替えた瓦の枚数は約5000枚ありました。つまりそれは、約5000枚の廃棄瓦が出てしまうということです。フカネンでは、先代社長の強い思いを受け継ぎ、瓦のリサイクル事業に取り組んでおります。今回も廃棄瓦を全て弊社で引き取り、瓦チップや瓦パウダーに加工することといたしました。

「瓦をゴミにしたくない」フカネンのサステナビリティについて

こうして新しく生まれ変わった瓦チップは、お寺のお庭に敷き詰めて景観の向上に役立てていただきました。また、瓦パウダー(瓦チップよりもさらに粒子を細かくしたもの)は滑り止め効果もある塗料「やねっこ」へと加工し、それをお寺の階段に塗装していただきました。

▲やねっこを塗る前と塗った後の写真です。瓦と同じ色味なので景観の統一感が出ましたし、滑り止め効果によって機能性も向上しました。

お寺の屋根を長年支えていた瓦が別の形でまた長くお寺を守っていくこととなり、住職さんにも大変喜んでいただきました。

おわりに

弊社は、創業当時から現場に足を運び、瓦工事屋さんの声を聞きながら商品開発を行ってきました。そうして長い年月をかけて誕生したのが「やねっこ」や「瓦チップ」などをはじめとするフカネンのオリジナル商品の数々です。これらの商品を国内外のさまざまなお客様にご活用いただくことは、私どもにとってこの上ない喜びです。フカネンでは、これからも環境に優しく皆様に安心して使っていただける商品づくりを目指し、開発・改良を続けてまいります。